音楽を実際に演奏し始めたばかりの方にとって、「ラテンリズム」はどこか難しそうで、近寄りがたい存在ではないでしょうか。私も最初はそうでした。サンバ?ボサノバ?名前は聞いたことがあるけど、どう叩けばいいのか、どう弾けばいいのか、さっぱり分からない。楽譜を見ても頭がフリーズし、体は固まる。そんな状態からのスタートでした。
しかし、ある日を境に気づいたのです。ラテンリズムは「理解するもの」ではなく、「体で感じるもの」だと。この記事では、私自身の失敗談を交えながら、音楽初心者でも演奏で使えるラテンリズムの考え方を、できるだけ分かりやすくお伝えします。
目次
ラテンリズムとは?初心者が最初に知っておきたい基本
ラテンリズムと聞くと、複雑で速いリズムを想像しがちですが、実は根っこはとてもシンプルです。特徴は一言でいうと「裏でノる」「体が自然に動く」リズムです。
私が初めてラテン系の曲をバンドで演奏したとき、表拍ばかり意識して全力で弾いていました。結果、周りのメンバーから「なんか重たいね」と言われ、内心ショック。自分ではちゃんと弾いているつもりだったので、何が悪いのか分からなかったのです。
あとで録音を聴いてみると、原因ははっきりしていました。音は合っているのに、全然踊れない。これがラテンリズム初心者あるあるです。
なぜラテンリズムは難しく感じるのか?
ラテンリズムが難しく感じる理由は、「強く出す場所」が普段聴いている音楽と少し違うからです。日本のポップスやロックは、分かりやすい場所でドンと来ます。しかしラテンでは、少しズラしたところが気持ちよく感じられます。
私はこれを知らず、最初は全部同じ強さで弾いていました。すると先輩から「それだと体操の行進曲だね」と言われました。笑えないけど、今思えば的確な表現です。
ラテンリズムでは、「全部を目立たせない」ことが大切です。あえて控えめにすることで、全体がグッと前に進みます。
まずは手拍子から!ラテンリズム体感練習法
初心者の方におすすめなのは、いきなり楽器を持たないことです。私も遠回りしましたが、結局これが一番の近道でした。
曲を流しながら、足で一定のテンポを刻み、手拍子を入れてみてください。ポイントは「全部叩かない」ことです。最初はスカスカで構いません。
私がこの練習を始めた頃、家族から「何その中途半端な拍手?」と不思議がられました。でも続けていると、ある瞬間、急にハマる感覚が来ます。「あ、これか!」という感覚です。
この体験ができると、楽器を持ったときも自然とノれるようになります。
演奏初心者がやりがちなラテンリズムの失敗例
私が実際にやらかした失敗をいくつか紹介します。
一つ目は、音を詰め込みすぎることです。ラテンだからといって、ずっと鳴らし続ける必要はありません。むしろ、鳴らさない時間が大切です。
二つ目は、真面目になりすぎることです。私は当時、楽譜をガン見しすぎて、メンバーの音を全く聴いていませんでした。その結果、リズムは合っているのに、全然楽しくない演奏になっていました。
ラテンリズムは「会話」に近いです。周りの音を聴きながら、自分の音を差し込むイメージを持つと、一気に楽になります。
ラテンリズムを演奏に取り入れると何が変わる?
ラテンリズムを少し意識するだけで、演奏は驚くほど変わります。私の場合、バンド内で「ノリが良くなったね」と言われるようになりました。
特別な技術を身につけたわけではありません。ただ、体でリズムを感じるようになっただけです。それだけで、同じ曲でも雰囲気が明るくなり、聴いている人の反応も良くなりました。
初心者の方ほど、この変化は分かりやすく出ます。
まとめ:ラテンリズムは考えず、感じて楽しもう
ラテンリズム入門として一番伝えたいのは、「間違えてもいいから体を動かそう」ということです。私も数えきれないほどズレましたし、恥ずかしい思いもしました。
それでも続けているうちに、少しずつ体が覚えてくれます。難しい理屈は後回しで構いません。まずは聴いて、動いて、楽しむこと。
ラテンリズムは、演奏する楽しさを何倍にもしてくれます。ぜひ気軽な気持ちで、あなたの演奏に取り入れてみてください。