「なんだかこの曲、リズムがズレてるのに気持ちいい…」
そんな音楽を聴いたことはありませんか?
実はそれ、ポリリズムと呼ばれるリズムの仕掛けかもしれません。
ポリリズムと聞くと「難しそう」「上級者向け」というイメージを持つ人が多いですが、実は初心者でも体感できる、とても身近な考え方です。
この記事では、楽器を始めたばかりの方に向けて
・ポリリズムって何?
・どうして気持ちよく聴こえるの?
・どうやって練習すればいいの?
を、筆者自身の失敗談を交えながら、できるだけ専門用語を使わずに解説します。
目次
ポリリズムとは?ざっくり言うと「同時に違うノリが進むこと」
ポリリズムを一言で表すなら、
**「同時に違うリズムが進んでいる状態」**です。
例えば、
・右手は「タン・タン・タン」
・左手は「タ・タン、タ・タン」
こんなふうに、同じ時間の中で違う刻み方をしているのがポリリズムです。
「ズレているなら合っていないのでは?」と思うかもしれませんが、実はちゃんと同じゴールに向かって進んでいるのがポイントです。
初めてポリリズムに出会った日の衝撃(筆者の体験談)
私がポリリズムを初めて意識したのは、バンド練習中でした。
ドラムの友人が、やたらと「ノリが複雑だけどカッコいい」フレーズを叩いていて、
正直に言うと、最初はこう思いました。
「……これ、ズレてない?」
勇気を出して聞いてみると、
「ズレてるんじゃなくて、ポリリズムだよ」とドヤ顔。
その瞬間、
“ズレ=ミス”だと思っていた自分の世界が音を立てて崩れました。
しかも実際に合わせてみると、なぜか気持ちいい。
頭では理解できないのに、体はノッてしまう。
これが、ポリリズムの魔力です。
なぜポリリズムは気持ちよく聴こえるのか?
理由はとてもシンプルです。
人は、
・予想できる安心感
・ちょっと裏切られるワクワク感
この両方があると、音楽を「気持ちいい」と感じます。
ポリリズムは、
土台は同じなのに、動き方が違う
という状態を作ります。
完全にバラバラなら混乱しますが、
完全に同じなら単調です。
そのちょうど中間にあるのが、ポリリズムなのです。
ポリリズムは特別な音楽だけのものじゃない
「ポリリズムって、難解な現代音楽の話でしょ?」
と思われがちですが、実はそんなことはありません。
・ロック
・ポップス
・ファンク
・アフリカ音楽
・ゲーム音楽
など、私たちが普段聴いている音楽にも、さりげなく使われています。
気づかないうちに、
「なんかノリがいい」
「クセになる」
と感じている曲には、ポリリズムが隠れていることが多いのです。
初心者におすすめのポリリズム体験方法
いきなり楽器でやろうとすると混乱します。
まずは体だけで体験しましょう。
手拍子でできる簡単ポリリズム
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右手で一定のペースで手拍子
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左手で少し違う間隔の手拍子
最初は、
「頭がバグる!」
「手が言うことを聞かない!」
と感じるはずです。
私も最初、3秒で崩壊しました(笑)
でも、崩壊してOKです。
ポリリズムは「正確さ」より「体験」が大事です。
ポリリズムができるようになると演奏がどう変わる?
ポリリズムを少しでも体感できるようになると、演奏が変わります。
・リズムに余裕が出る
・他の人の演奏に惑わされにくくなる
・「ノリ」を感じ取れるようになる
特にバンド演奏では、
「自分は自分のリズムを保つ」
という力がとても重要です。
ポリリズムは、その感覚を育ててくれます。
ポリリズムは理解しなくていい、感じればいい
最後に、初心者の方に一番伝えたいことがあります。
ポリリズムは、
理屈で完璧に理解しなくていいです。
私自身、説明しろと言われると今でも怪しいです。
でも、体で感じることはできます。
・ズレているのに気持ちいい
・合っていないのに一体感がある
その感覚を楽しめれば、それで十分です。
まとめ|ポリリズムはリズムの世界を広げてくれる
ポリリズムは、
難しい理論ではなく、音楽の遊び心です。
初心者のうちから
「こんな考え方もあるんだ」
と知っておくだけで、音楽の楽しみ方が何倍にも広がります。
ぜひ、
・手拍子
・足踏み
・簡単なフレーズ
から、気軽にポリリズムに触れてみてください。
ズレて笑って、崩れて笑って、
それでも音楽はちゃんと前に進みます。
それこそが、ポリリズムの面白さなのです。